愚痴は書きません

1mmずつ動くダメ会社員

茶番

転職エージェントと電話面談をした。初めての相手で、エージェントを利用するのは半年ぶりのはずである。
昨今は利用が一般的になっているそうだが、ネットの評判を見るにそのクオリティについては玉石混交のようだ。

私が去年の秋ごろに初めて連絡したエージェントは、お世辞にも当たりとは言えない方だった。

 

昨年の秋、金曜の仕事帰りにファミリーマートの駐車場に車を停め、電話で話した。
こちらの業務内容を知ったかぶりした上で、「忙しいと言ったって、どこもそうですよ~」と身も蓋もないことを言ってきたので、適当に話を合わせて電話を切ったあと、
ブチ切れながら車中でファミチキをヤケ食いした。

色々言われた気がするが、詰まるところ「応募企業の人が雇うために稟議申請をしやすい立て付けを考えろ」ということだった。
1年目の冬に面接で撃沈したので、それは痛いほど分かっている。
今の職場の残業時間が長いから、というようなことは言わないほうがいいし、
仕事自体は好きだからもっと〇〇の分野にチャレンジしていきたい…というふうに結ばなければいけないのだ。相手先企業にネガティブな印象を与えるからだ。

で、実際に私が面接で撃沈したときは、面接で無理をしながらポジティブに仕事への熱意を伝えた。そうしたら面接官に「もうちょっと力を抜いたら…?」と憐れまれた。
帰り際、落ちた感触を抱きながら、じゃあどうしろってんだよと内心キレていた。
 
 

仕事を通じて、昔よりは「建前」の価値を理解するようになったと自分では思っている。
真剣に偉い人が納得する「建前」を必死に作り、くだらない「茶番」を粛々とするようになった。昔より「茶番センサー」は鈍感になったかもしれない。

それでもなお、会社への失望をストレートに伝えてしまったら負けというゲームに参加するのはしんどい。
なぜここまでして「理由」を練り上げないといけないんだ。
安定企業の保守性の塊のような人事は、「ネガティブ」とか「他責性が強い」とブラック企業からの受験者を避け、少しも耳を傾けてくれる気はないのだろうか。
全ての会社がそうなのかを知る術はない。
だが、転職エージェントは「そういうゲームだ」と割り切った口調で説明し、
応募者を企業に突っ込ませようとしている。
 
お前らに問いたい。
一人の人間として、仕事で関わった人が覚えきれないくらい離職する職場がまともだと思うのか。そういう環境から逃れることが「理由の1つ」にならないのか。
そこまでして「茶番」を求めることが、転職市場や、企業や、社会にどれだけのメリットがあるのか。それを教えろよ。馬鹿だからブラック企業に入った俺でも分かるように。


もちろん、最終的なゴールは転職なのだから、割り切って練り上げた理由を堂々と伝えればいい。自分でも青いガキだと思う。
だが、やりきれない。
 
今日の面談でも、やはり残業時間のことは触れない方がいいと言われた。
企業に伝える転職理由を練り上げるとしたら、皆さんは将来のキャリアビジョンにギャップが生じた等のその辺の話にするしかない。本当に、くっだらない…

収穫だったのは、ネガティブだから企業に伝えないでおこうと思っていた事柄が、
伝え方を上手くすれば全然問題ないという指摘を貰ったことくらいか。

さて、エンドレス就活の始まりか…