愚痴は書きません

1mmずつ動くダメ会社員

製造業システム部門でイグっ!!!

アドベントカレンダーのようなIT業界カルチャーに触れるのは学生時代以来だ。
私が情報系学部生であった頃、2つ学年が上くらいの優秀な先輩方がおり、
学部でLT(ライトニングトーク)のカルチャーを定着させた方々がいらっしゃった。
 
労働で知的好奇心が皆無となった今に比べれば、昔の私は自発的な技術の勉強はせずとも、若者としての最低限の知的好奇心は持っていたと思う。
 
今回友人がアドベントカレンダーを主催?しているのを見て、
まだ人並みの好奇心があった昔を思い出して懐かしくなった(そして死にたくなった)ので勢いで書く。
身の上話ばかりで技術トピックは殆どありません。それは他の方にお任せします。
ITが疎い人に読んでほしい。
 

 

 
 

1.自己紹介

下請けメーカーに勤務している会社員。ITインフラ運用(3割雑用業務)に従事。
メンタル疾患と若手の高離職率に全く対処できていない人材不足企業で勤務中。
この1年で顔見知りの社員が両手で数えきれないくらい辞めている。
 
職種は社内SEだが、システム開発は全く業務でやっていない。
SEとは恥ずかしくて名乗れない。ITリテラシーの低いユーザーの備品の破損などの対応に追われる。
入社してからは業務外で技術の勉強はしていない!!!
もっぱら転職サイトと風俗サイトとTwitterばかり見ている。
お察しの通り、優秀な学生ではなかった。仕事でも勿論無能。
 
 

2.製造業とSaaS化の波

今さらWindows10の話をする。
そもそも、製造業のIT部門は間接部門である。
仕事を進める上では、「会社にとって価値を生む仕事=コスト低減」が何より優先される。
Webサービス提供を業務としているITスタッフとは根本的に仕事の進め方が違うと思われる。
 
基幹システムと呼ばれる本業の要となるシステム(メーカーでは特に生産・物流関係)などは、滅多に改修をするものではなく、最低5年は利用することを前提として作られる。
 
結果として企業には何十年も前の古文書のようなプログラムが存在したりする…
これはその方面の人はよく聞く話かもしれない。私の勤務先でも20年前のデータベースで動くシステムが動作保証もなく稼働していた。
 
先輩諸氏に話を聞くと、バージョンアップに伴う改修費用が莫大となるため
昔から緊縮財政の弊社では問題を先送りし続けてきたらしい。
偉い人の「なぜなぜ攻撃」は怖いですね。
2006年に作った業務ソフトとかが普通に使われているんです。改修もなく。
 
 
 
で、私が会社員2年目となった今年4月、Windows10環境での動作検証プロジェクトの旗振り(マネジメントごっこ)をすることになった。
Windows10では、半年に一度「機能更新プログラム」と呼ばれるアップデートがかかる仕様となっている。
(よくわからない人はOSが変わってしまうくらいのインパクトがあると思ってください。)
 
それまで使用できたシステムが動かなくなったり、すぐにアップデートをすると致命的な不具合が発生したりするリスクがあるというふざけた仕組みだ。
 
ちなみに、それらを回避するにはオプション費用を払わないといけない。
風俗の「初回登録料」みたいなやつと同じくらい理不尽な費用じゃないか??

まともにOSを使うためにサービスとして費用をとる、こういうビジネスモデルは数年前から主流になってきている。(詳しく知りたい人は「SaaS」で検索してください。)
 
 
ということで、現在Win7環境で使用している業務システム全てと
市販ソフトを全て洗い出して、直近のWin10環境での動作検証する必要が出た(無理)
 
今後控えている大型アップデート時の動作検証のためにも、検証の体制づくりが必要であったため、それを若手の私にやらせてしまおうということである。
 
ドケチすぎる企業なので、役員はプロジェクトの初めに以下の注文をつけた。
 
〇仕様上はWin10で動作保証はされていなくても、とりあえず動けばいいじゃん!
〇オプション費用はできる限り払わない方向で
 
 
結果として、大手ベンダーの正式なサポートは受けず、
あくまで部署スタッフのごく一部で動作検証業務を実施した。
それまでにやっていた仕事は指示された仕事を進めるだけだったのに…(※ちなみに、勤務先は規模としては大手企業ですが、教育体制はマジで皆無です。)
 
周りの人も「2年目にやらせる業務じゃない」と陰では言ってくれていたが、
正面切って上司に物申す人はいなかった。
Windows XP→7への移行とはコストが全然違うのに…
 
「〇〇くんに旗振りのやり方を覚えてほしいんだ」
「とりあえずスケジュールの線を引いてみてよ(実施項目の粒度は指示なし。そもそも上司に経験がない)」
その後の混乱を踏まえて振り返ると、あまりに上司が適当すぎて腹が立つ。
 
Microsoftは2020年1月を目途にWindows7のセキュリティアップデートを終了すると告知している。
今年の4月時点で、終了期限は残りの対応期間は1年8ヵ月を切っていた。
 
基幹システムと連携したアプリケーションの改修対応は、後ほど聞いたところ
今まで先送りにしてきたDB・サーバー更新も絡むため、改修難易度が異次元レベルで高かったようだ。
それにしてはあまりに遅すぎるスタートである。
 
さて、ここまで書くだけでめちゃくちゃ時間がかかって疲れたので、
結論から書くと、検証に半年以上要して、まともな結果は出せなかった。
 
つまり、自分が恨んだ過去の先輩(バックレたらしい)と同じように「問題の先送り」をしただけで、後は退職することだけを考えているということだ。
こうなった要因は4つあると思っている。
 

〇退職したバックレ先輩の資産管理(ライセンス、端末設定情報)があまりに適当すぎて、検証準備に大幅な時間を要したこと

〇そもそも素直にITベンダー(富士通さんなどのIT企業)の力を借りなかったこと。
また、そうすべきだと当時は分からなかったこと。

〇2年目の私の経験値・能力では、検証作業の納期マネジメントができなかったこと。

〇上司及び部門長に異議を唱える人間が誰もいなかったこと。

 
真ん中2つを除けば、高離職率となっている組織風土・体質の問題である。
こういう組織において、半年に1回OSのアップデートでアプリの動作検証をしないといけませんってのがどれだけ負担になることか。
 
 

3.単価の安い製造業の終わりと悪足掻き

 
どれだけの負担になろうと、得意先・親会社のOS移行には逆らえない。
それが垂直統合型で発展したメーカーの宿命である。
Windows10に対応するため、複数の企業が自社とその系列企業の
IT環境を統一していく動きがあることを大手ベンダー営業さんから聞いた。
 
ITインフラの調達も一本化し、コスト低減を図る。
真っ当な活動だとは思うが、本業の低利益率の前にして「コスト低減」の活動自体がままならなくなるくらい経営が傾いているとは思いもしなかった。
 
数年前に不採算事業をグループ会社から引き受け、それがどのように財務状況に反映されているのか、社員である私は全く知ろうとしなかった。
社内でもオープンにはされていなかった。
 
気づけば、いきなり部門長から「今年の残りの予算から〇億減らせ!!実施項目を来年に先送りしろ!」との無茶な号令がかかり、
その対応で余計な残業をする本末転倒な事態に。
 
総務部門からは「カラーコピー禁止」「備品で筆記用具買うの禁止」などと細かなルールが発表され、社内には厭世ムードが漂い始めた。
 
サラリーマンを30年以上勤めた父親に言わせると「経営が悪い時はそんなもんだ」ということらしい。
ただ、オリンピック前のこの時期で赤字なら、ビジネスモデルがもう成り立っていないということだろう。
世界同時不況になったら、お先は真っ暗である。
 
重厚長大型産業に替わるビジネスが必要だとか、日本の産業構造に変革が必要だみたいな話は私の世代はよく耳にしていると思う。
しかし、自社の製品の利益(数十円とかがザラ)の状態で、
海外から「研修生」を連れてきて格安で製品を作らせないと成り立たない、
或いは焼け石に水のようなコスト削減業務をするしか手立てがない環境で働くことは
想像以上に苦しかった。
 
 

4.  それでも僕は辞められない

ビジネスモデルが構造的に問題を抱えていても、下手なIT企業よりはとりあえずの
生存する待遇は確保されているため、今の会社から逃げ出す勇気が持てない。
 
僕はスキルをつけて転職しようという気概はなく、新天地を探し回る実行力もない。
散々ツイッターで愚痴を書き連ねているのに、プロジェクトの途中でバックレることはしない。できない。
勤勉だからとか責任感があるというよりは、今の業務をやればやるほど自身の無能さを強烈に自覚して転職に躊躇しているのが正直なところだ。
 
たとえオリンピック直前だとしても中途採用での市場価値は低く、
間違いなく待遇が悪化した転職しかできないと思っている。
そもそも会社員の生活そのものにうんざりしているのに、
なぜ慣れない環境に飛び込んで余計な適応コストを払わないといけないんだという
怠惰な気持ちがある。
もう黙って死ぬしかないか?あ?
 
現状維持バイアスの塊のような人間ではあるが、
実は過去にヤケになって風俗店のWebスタッフに応募した経験がある。
今週のように脳にクるレベルで仕事がきついときは、いつも風俗Webスタッフになることを考えてしまう。
まぁ、その話はまたどこかで・・・(終わり)